受験勉強とキャリア教育の必要性
教育課程で、誰しも必ずといっていいほど経験する受験勉強と、近年、推進・実行されているキャリア教育、この2つはどちらも将来設計をする上で重要な意味を持ちます。しかし、どちらにも利点があれば課題もあります。ここでは、受験勉強とキャリア教育の必要性について、ご説明していきます。
受験勉強とは
受験勉強とは、志望校受験合格のために行う勉強です。誰しもが、受験勉強を経験しているわけですが、そもそも受験勉強はなぜ必要なのでしょうか?
受験勉強をする上で、将来設計はとても重要です。しかし、実際のところ【受験勉強をして志望校に入り、それから将来のことを考える】という人が多いのではないでしょうか?
すでに将来の夢が決まっており、その夢の実現のために受験勉強が必要な場合を除き、上記の人は多いと言えます。
しかし、受験勉強なくして志望校へは入学できません。つまり、将来を考える上で、受験勉強は必要不可欠なのです。
受験勉強で得られること
受験勉強は、ただ志望校に合格するだけでなく、以下に挙げるような経験値が得られることを忘れてはいけません。
・知識が増える
受験勉強をすることで、一定以上の知識を得ることができます。得た知識は、その人にとっての財産や価値となります。
・人間的な成長
受験勉強は、継続することが大切です。日々コツコツと取り組むことが、受験勉強成功への鍵となります。しかし、挫折することなく、継続をすることは、そう容易ではありません。だからこそ、受験勉強に励み、忍耐を身に付けることで、人間的な成長を生むのです。
・計画性が持て未来設計ができるようになる
受験勉強を行う上で、学習スケジュールを立てることは必要不可欠です。【何を・いつまでに・どこまでやるのか】受験勉強では、この点が成功への鍵となります。また、学習スケジュールを立てることで、計画性を養うことができます。受験勉強を終えたら、そこで終わりではありません。将来何になりたいのか?次は、その目標の為に勉強する必要があります。受験勉強を行うことで、こうした自分自身の未来設計を立てることができます。
受験勉強の注意点
受験勉強をすることは、受験に成功するだけでなく、内面的成長にも繋がる為、得られることが多いですが、注意する点もあります。
・燃え尽き症候群に陥りやすい
受験勉強を一生懸命行うということは、当然ながら志望校があるはずです。しかし、志望校に合格した途端に目標を失い、勉強をしなくなってしまうことがあります。本来、受験勉強は通過点でしかなく、志望校に入学し将来何をしたいかが重要であり、ゴールでもあるのですが、その点を見失ってしまうと、無気力になってしまうことがあります。
・精神的ストレスが溜りやすい
受験勉強をする際、【自ら進んで行う】場合と、【親に言われて】の2つのケースがあります。自ら進んで受験勉強をする場合、自分の意思で受験勉強をしているので、息抜きをする時間をうまく作ることで、ストレスは軽減されがちです。一方、親に言われて受験勉強をする場合、本人の意思は尊重されずに受験勉強に励む必要性があることから、ストレスが溜まりやすい傾向にあります。精神的ストレスが溜ると、体調を崩すだけでなく、受験勉強そのものを拒絶してしまう可能性もあるので、注意が必要です。
キャリア教育とは
近年、注目されているキャリア教育は、1人1人の個性を尊重し、社会生活を送る上で必要な能力を育むことをいいます。つまり、自分らしく生きるための力の育成といったところです。
受験勉強が、学力を養う勉強ならば、キャリア教育は、将来性や社会性を養う勉強といえます。
キャリア教育で得られること
キャリア教育では、以下に挙げる4つの能力を伸ばすことを目標としています。
- 人間関係形成と社会形成能力
コミュニケーション能力や、個々の個性の理解など
- 自己理解と自己管理力
自分自身の思考や感情のマネジメントなど
- 課題対応能力
計画の立案、実行、評価など
- キャリアプランニング教育
学ぶことや働くことの意義を知り、将来設計をする
こうした能力を早期から伸ばしていくことで、協調性を持ちつつ、キャリアプランニングができるようになり、社会において活躍できる人材へと成長することができるのです。
キャリア教育の注意点
キャリア教育は、小学校・中学校・高校・大学と、各教育過程において行われます。しかし、年齢を重ねるにつれ、将来像を明確にしていく必要があることから、【学び】と【将来の仕事】が結びつかず、自己のキャリアプランニングがうまく行えないケースもあります。
目標に合わせた教育を早期から行うことが大切
受験勉強とキャリア教育、どちらも将来を見据えた上で必要な勉強です。
しかし、受験勉強だけでは、学力は上がりますがキャリア教育で伸びる将来性や社会性を養うことができず、社会人になった時に挫折を感じてしまうことが増えるでしょう。
それとは反対に、キャリア教育だけでは学力が伴わず、受験や就職において挫折を感じてしまうことが増えるでしょう。
つまり、将来性を考えた上で、どちらの教育も尊重し早期から行うことが、1人1人の成長に大きく影響していくのです。