【今すぐ実践できる】キャリア教育の具体策までを徹底解説!
キャリア教育が始まって20年ほど経過していますが、実践として現場へ導入することに苦労されているのではないでしょうか?
キャリア教育という言葉は良く聞くけど、実際には何から対策を行っていけば良いかわからないというお話もよく伺います。
この記事ではキャリア教育の必要性や課題、今後の具体策などを解説します。
現状に悩まれている教職員や学校関係者、保護者の方にお役に立てればと思います。
目次
●キャリア教育とは
・具体的に何をするのか
・なぜキャリア教育が必要なのか
●キャリア教育の現状と課題
●キャリア教育で4つの力を身につける
- 人間関係形成・社会形成能力
- 自己理解・自己管理能力
- 課題解決能力
- キャリアプランニング能力
●キャリア教育の具体策
- 現在の教育活動を見直す
- 計画を立てる
- 過不足を調整する
●まとめ
●キャリア教育とは
・具体的に何をするのか
生徒が将来自立した職業人として生きていくために、必要な能力・態度・資質を育てていくことをキャリア教育と言います。
学び方やものの考え方を身に付け、好奇心を持って自己の生き方を考えることを目的としています。
そのための施策として、ボランティア活動などの社会体験、見学や調査、発表や討論、ものづくりや生産活動などの体験的な学習が行われています。
・キャリア教育の必要性
現在、社会の様々な領域において急激な構造変化が進行しています。
産業・経済の変容は、雇用形態の多様化や流動化にもつながっています。
そうした中、就職・進学を問わず子どもたちの進路をめぐる環境が大きく変化し、社会的・職業的自立に向け必要な能力や態度を育てるキャリア教育の更なる推進・充実が強く求められています。
●キャリア教育の現状と課題
学校関係者にキャリア教育専門の方が少なく、「体験活動が重要」という側面のみをとらえて、職場体験活動の実施をもって完了したとみなすケースも見受けられます。
キャリア教育の定義が抽象的な側面が大きいため、一人一人の教員の受け止め方や実践の内容・水準には、ばらつきのあることも課題としてうかがえます。
また、キャリア教育には他の教科とは違い正解がありません。そのため、効果が見えにくく、改善がされにくい問題があります。
●キャリア教育で4つの力を身につける
- 人間関係形成・社会形成能力
・多様な他者の考えや立場を理解(他社の個性を理解する力)
・相手の意見を聴き自分の考えを正確に伝える(他社に働きかける力)
・現状を受け止め、役割を果たしつつ他者と協力・協働する
(コミュニケーション・スキル, チームワーク)
・社会を積極的に形成することができる力(リーダーシップ)
日常生活の中で、様々な対人経験を通じて形成されます。
学校活動においては、日々の教員との交流や、他の生徒との集団生活によって、能力を育成することにつながります。
- 自己理解・自己管理能力
・自己の役割の理解
・前向きに考える力
・自己の動機付け
・忍耐力,ストレスマネジメント
・主体的行動
生涯にわたり多様なキャリアを形成する過程で常に深めていく必要がある能力です。
自己の役割の理解や、自らの能力に対する認識、活動に対する興味・関心を高めることにより、深い自己理解をもたらすことへとつながります。
変化の激しい社会にあって多様な他者との協力や協働が求められている中で、自己管理能力の育成につながっていきます。
- 課題解決能力
・本質の理解
・原因の追究
・課題発見
・計画立案
・実行力,評価
仕事をする上での様々な課題を発見・分析し、適切な計画を立ててその課題を処理し、解決することができる力です。
学校生活に置き換えると、机や身の回りの整理整頓、授業の準備、係活動などを通じて、その基礎的能力が育まれます。さらに、各教科や、特別活動において、生徒それぞれの問題解決に取り組ませることによって、課題対応能力を高めることになります。
- キャリアプランニング能力
・学ぶこと・働くことの意義や役割の理解
・多様性の理解
・将来設計
・選択,行動の改善
学校では、生徒が、様々な社会人と交流し、自ら職場体験をする取組を企画することにより、キャリアプランニング能力の基盤を育むことが期待できます。
各学校においては、日ごろより、地元産業界や各種機関との連携を意識しておくことが重要です。
●キャリア教育の具体策
- 現在の教育活動を見直す
キャリア教育の実践に当たっては、わざわざキャリア教育のために新しい行事や取り組みを行う必要はありません。
新しい活動を増やすよりも、既に学校で取り組んでいる課題活動を見直すことから取り掛かることが重要です。
その理由は、新しいものを取り入れようとするときに、一から考えるよりも、今あるものにプラスアルファをして考えていく方が、準備にかかる時間を削減することができるからです。
さらに、既に行っている教育がいかに子どもたちのキャリアにかかわる問題であるかを意識することができます
教育活動を見直す際には、キャリア教育の目標に挙げられている「社会の中で子どもたちが生きていくために必要な能力を育てる」を前提として考えます。
生徒にどのような能力を身に付けておく必要があるのかを教員間で共通理解することが必要です。
- 計画を立てる
教育活動の見直しを行うことができたら、次はそれらの実践を学年別に系統立てていきます。それぞれの学年で行われている実践が、各能力においてどのようにつながっているのか把握することがこの段階の課題です。
その際、つながりを表で示すことができればより分かりやすくなります。
- 過不足を調整する
最後に身に付けさせたい能力に照らし合わせて、学年・時期・内容に過不足がないか調整を行います。
●まとめ
多くの人は、人生において職業人として長い時間を過ごすこととなります。
どのような職業を選び、どのような働き方を選択するかということは、その先の人生に深く関わってくるといえます。
そういった背景を踏まえると、キャリア教育を通じて、一人一人が自らの勤労観・職業観の形成・確立を図ることは極めて重要になります。